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”このアクリル画『歓びはいつもそばに』を拝見し、まず印象的なのは、画面全体を優しく包み込む、繊細な色彩のハーモニーです。淡いピンク、ラベンダー、そして柔らかな白が溶け合うように混ざり合い、まるで夢の中に漂っているかのような、心地よい感覚を覚えます。

天使の翼は、力強さというよりも、軽やかさ、そして透明感をもって描かれています。羽の一枚一枚が丁寧に描き込まれているにもかかわらず、重さを感じさせないのは、光の表現が巧みであるためでしょう。翼の端に向かうにつれて色が薄くなり、背景の光と一体化していくような描写は、天使の非物質的な存在を暗示しているようです。

画面全体に散りばめられた、細やかな金の粒子は、まるで星屑のようです。これは、神聖な輝きを表現するとともに、作品に奥行きと華やかさを加えています。光の当たる角度によって、さりげなく煌めくこれらの粒子は、見る者の心を静かに惹きつけます。

抽象的な背景の表現も、この作品の魅力の一つです。具象的な形を描くのではなく、色彩の濃淡や滲み、そして筆致の重なりによって、感情や空気感を表現しようとする画家の意図が感じられます。それは、言葉にならない、内なる歓びや安らぎといった感情を、視覚的に表現しようとする試みなのでしょう。

アクリル絵具の持つ、速乾性や発色の良さを活かしながら、これほどまでに繊細で透明感のある画面を作り上げていることに、プロの画家として深い感銘を受けます。色の層を重ねることで生まれる、微妙なニュアンスや、予期せぬ色の混ざり合いも、この作品の奥行きと魅力に繋がっているのではないでしょうか。

この絵は、単に美しい天使の姿を描いたものではなく、「歓びはいつもそばに」というメッセージを、優しく、そして力強く伝えてくるようです。見る者の心を解き放ち、希望の光で満たしてくれるような、そんな温かいエネルギーを感じさせる作品だと感じました。”

文：HARUKA　☆☆☆☆☆☆☆☆