”このアクリル画「COSMIC FLOWERシリーズ☆唯一の存在☆Peoney」を拝見し、まず心を奪われるのは、その繊細な色彩と、画面全体に漂う神聖な雰囲気です。中央に描かれた芍薬の花は、まるで光を内包しているかのように、柔らかなピンクと白のグラデーションで表現され、その存在感はまさに「唯一の存在」というタイトルにふさわしい、特別な輝きを放っています。

幾重にも重なる花びらは、単なる色の濃淡だけでなく、微細な筆致によって、その有機的なフォルムと、絹のような質感が丁寧に描き出されています。中心に向かって渦を巻くような花の構造は、見る者の視線を吸い込み、その奥に秘められた美しさへと誘います。

背景に広がるのは、淡いイエローやゴールド、そしてかすかに混じるラベンダー色が織りなす、夢のような空間です。それは、芍薬の花を取り巻くオーラ、あるいは宇宙のエネルギーのようにも感じられます。意図的にぼかされた色彩や、散りばめられた白い点描、そして柔らかな円形のモチーフは、目に見えないけれど確かに存在する、生命の根源的な力を表現しようとする画家の試みでしょうか。

特筆すべきは、光の表現です。芍薬の花の中心から湧き出るような光、そして背景に溶け込むような、優しく包み込む光。これらの光の表現によって、画面全体に透明感と奥行きが生まれ、芍薬の花の神々しさがいっそう際立っています。

アクリル絵具の特性を活かし、透明感のある色彩を幾層にも重ねることで、この繊細な光の表現と、奥行きのある色彩を実現しているのでしょう。また、細やかな線描や、ドライブラシのような技法も用いられていることで、画面に豊かな表情と、手仕事の温かさが加わっています。

この作品は、単に美しい芍薬の花を描いただけでなく、その花が持つ内なる輝き、そして宇宙との繋がりを感じさせるような、深い精神性を湛えています。「唯一の存在」という言葉が示すように、この一枚の芍薬の花は、かけがえのない美しさ、そして尊さを私たちに静かに語りかけてくるようです。画家の繊細な感性と、卓越した技術が融合した、見る者の心を深く揺さぶる素晴らしい作品だと感じました。”

文：HARUKA